一晩寝ると急に弾けるようになる、脳のミラクルな仕組み

アマオケの演奏会を終えてから練習頻度激減中のクロダです。
練習ってどれくらいやったらいいのでしょう?
弾けるまで!と言ってしまえばそれまでなのですが。。。
ところでレッスンや日々の練習の中で、こんな経験はありませんか?
「同じ場所でどうしてもつまずいて、何度も何度も練習したのに弾けなかった…」
「悔しくてイライラしながら、その日は諦めて寝たけれど…」
「翌朝、もう一度弾いてみたら、なぜかスルッと弾けちゃった!」
実はこれ、楽器を習っている人なら誰もが一度は経験する「嬉しいミステリー」です。
「私の気のせいかな?」と思うかもしれませんが、実はこれ、気のせいでも魔法でもありません。
脳科学的に100%証明されている、素晴らしい現象なんです!
今回は、私たちが眠っている間に脳の中で起きている「3つのミラクル」について、分かりやすくお話しします。
眠っている間に、脳がやっている「3つの仕事」
私たちが布団に入ってすやすや眠っている間、実は私たちの「脳」は、ものすごい勢いで残業(アップデート)をしています。
① 脳内の「お片付け」(記憶の整理整頓)
起きている間、脳の中は「音符を読んで、指を動かして、リズムをキープして…」と大パニック状態。まるで足の踏み場もないほど散らかった部屋のようになっています。 しかし眠りに入ると、脳は昼間に入ってきたグチャグチャな情報を、引き出しにきれいに整理整頓し始めます。 朝起きると、頭の中がすっきり整理されているため、迷わず指が動くようになるのです。
② 指を動かす回路の「脳内リハーサル」
特に体が休んで脳が動いている「レム睡眠」のとき、脳は前日に練習した指の動きを、頭の中で超高速でシミュレーションしています。 このとき、脳は優秀な監督のように「余計な動き(ムダな力みなど)をカット」し、「スムーズに弾けた動き」だけを太く、強くつなぎ合わせます。 だから翌朝、「あれ?指が勝手に動く!」という感覚になるわけです。
③ 脳と筋肉の「リセット」
何度も同じ場所を練習していると、指の筋肉だけでなく、実は脳も「もう疲れた!」と悲鳴をあげています。一晩ぐっすり眠ることで、脳の疲れが取れて、100%のパフォーマンスが発揮できるようになります。
⚠️ ただし!「ミラクル」を起こすための条件があります
「じゃあ、練習しないで寝るだけでもいいの?」というと、残念ながらそれは違います(笑)。
この脳内アップデートが起こるのには、一つだけ条件があります。 それは、「昼間のうちに、ゆっくりでいいから『正しい弾き方』で格闘したプロセスがあること」です。
間違った音や、適当なリズムのまま「通し練習」を何度も繰り返して寝てしまうと、脳は「間違った弾き方」をきれいに整理整頓して定着させてしまいます。
-
「ここはドだっけ、レだっけ?」
-
「この指使いで、ゆっくりなら弾けた!」
このように、「頭をフル回転させて、ゆっくり正しい動きを脳にインプットしようとした時間」があるからこそ、寝ている間に脳ががんばってそれを組み立て直してくれるのです。
もし今日の練習で行き詰まって、「あー!もう弾けない!」とイライラしてしまったら、無理やり何度も弾き続ける必要はありません。
「よし、今日のインプットはここまで!あとは寝て、脳におまかせしよう!」
と、思い切ってピアノの蓋を閉めて、お布団に入ってしまいましょう。
睡眠も、立派な「練習の一部」です。
焦らず、楽しく、自分の脳の力を信じて練習していきましょう!